福島原発2号機
ここしばらく、2号機の温度が上がっているとの話が一部で盛り上がっている。
圧力容器のある高さに設置している温度計3個のうち、ひとつが上昇値を示し続けているとのこと。他の二つは低減傾向に変化はなし。放射性キセノンの発生量に変動は見られず、注水量に対する測定値変動幅が大きく、温度計が壊れているのではないかとの見解を東電が示す。

これに対するとんでも反応。

1.再臨界しているに違いない
臨界反応すると、その反応規模が極小でない限り温度上昇水準はこの程度では収まらない。また、臨界して注水を上回る発熱を続けるならば他の温度計にも些少なりとも影響を与えてよいはずだがその様子が見えない。従って、熔融燃料において定常的に発生する核反応の範囲を超える臨界反応は継続して発生している状態ではないと推測できる。

2.温度計一つ管理できない東電は値上げするとかとんでもない
東電が値上げする状況になっているのは、事業者のレベルで対処すべき規模を超える災害の対処と補償を負っているため。また、経営状況と原子炉の障害状況とは直接的には関連しない。

3.温度計が壊れてるなら直せ
圧力容器の中の設備を現状で直せると本気で思っているなら無知にも程があるし、本気でないならば良識が疑われる。これまでに限らず今後も当分の間は直接手を出せない状況下での作業が続くので、可能性として妥当な選択肢を選択し続けるしかない。
「温度計を直す」という選択肢は、指示値の調整をするという程度なら可能性はあるが実物を再設置することは現実的に不可能。

4.こんな状態で東電の言うことは信じられない
これが一番可笑しい。単に自分の信じたいことは信じるがそうでないことは信じないと言っているだけに過ぎない。しかも、温度計の値が上昇しているという「東電の言っていること」は信じていることを意識していない主張。

----
問題の温度計は、圧力容器の下部三方に均等間隔で設置されている温度計3つのうちのひとつ。同じ高度の別のふたつ、あるいはこれより下部に設置される温度計の指示値はそれぞれこれまで同様低下傾向にあるとのこと。
対象の温度計がどのような状態にあるかを推測する。

【推測1】
(1)対象の温度計指示値は正しくない
(2)対象の温度計指示値は正しい

(1)の場合
対象の温度計は環境と異なる温度を指示していることになる。また、指示値は変動しなくなるのではなく、大きく変動しつつ上昇するという状況にあるようだ。そのような状況を示しうる故障状況が説明できるならば指示不良の考え方は可能性の一つといえる。
対象温度計が壊れたとする場合、原子炉内の状況を示す指標が一つ失われたことになるため、作業工程全体のリスクは上がったとみることができる。

(2)の場合
対象の温度計は他温度計と連動していないが、指示値自体は正しいと仮定することもできる。この場合、対象温度計の限定的な周辺において温度変化の大きな状況を生む環境ができていると推測できる。

(2)-1.温度上昇要素
限定環境の温度を上げる要素は、現状では核燃料以外を想定する必要はない。従って、温度計周辺に温度上昇につながるだけの発熱量をもち、かつ他温度計に影響を与えない程度でしかない量の核燃料が付着した状況を想定できる。

(2)-2.温度変動要素
温度の変動は上昇と下降の双方を含む様なので、下降要素は上昇要素と独立していると推測できる。温度の下降要素は現状では冷却水によるもの以外を想定する必要はない。従って、冷却水が温度上昇要素による温度上昇に対応しきれていないが、全く冷却できていないわけではないという状況を想定できる。

(2)-3.想定の妥当性確認
上記(2)-1.(2)-2.の想定が妥当かどうか検証する。
局所的に核燃料が付着する状態を否定できる要素はないため、可能性の一つとしてはありうる。また、冷却水の冷却具合が不均一になる状況も想定はできるので、可能性の一つとしてはこれもありうる。この時問題になるのは温度変動幅と変動に要する時間となる。冷却水の掛かる量が温度上昇幅を上回ると指示値が下がり、下回ると上がる原理は成り立つとはいえ、下降幅は冷却水を過大に掛けることで達成できるものの上昇幅は核燃料の発熱量から類推して妥当かどうかに依存する。指示値の短時間におけるブレ幅と、長時間における上昇傾向との相関を見れば、この想定が妥当であり得るものかを評価できる。

こんなこと書いているうちに温度計が本格的に異常値示すようになったとの報道があった。まあ壊れたのだろうな。
他の計器も使えなくなる前に代替器を設置できないとますますメクラ操業になる。尤も、代替設置がまず大変なわけだけど。
スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック